【暁鐘】 2020年11月25日

映画「ガンジー」の中で、忘れられない言葉がある。暴徒化した民衆を鎮めるためハンストを続けるガンディーに、「やりすぎです」と止めるネルー。そこでガンディーは「私は失望するといつも思う。歴史を見れば真実と愛は常に勝利を収めた。暴君や残念な為政者もいた。一時は彼らは無敵にさえ見える。だが結局は滅びている。それを思う」▼18日は全県一斉ノー残業デーだった。本校は考査発表一日前だったが、部活も自習室もやめ勤務時間終了時に職員は全員下校した。今から15年前、労安担当になった時、定時退校日も在校時間記録簿もなかった。長時間労働の問題を訴えると県教委は「勤務時間管理は校長によって適切に行われている」と繰り返すばかり。これに対し私たちは「実態」を訴え続けた。そして今、80時間超えの教員数のデータが何年も蓄積され、それを踏まえた議論が行われるようになった。隔世の感がある▼今も国内外で、法にも道理にも合わないことが続いている。あきらめかけたり、怒ることすら忘れそうな時、先の言葉を思い出す。(「愛高教情報」2020年11月25日)