いまこそ「憲法のこころ」が生きる社会の実現を

愛高教も参加している「愛知憲法会議」では、憲法記念日に合わせて下記のアピールを発出しました。紹介します。

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いまこそ「憲法のこころ」が生きる社会の実現を

本日、日本国憲法は73回目の誕生日を迎えました。

憲法は、侵略戦争への反省と悲惨な戦争体験から、徹底した平和主義を定めるとともに、その大本になる考え方として、国民一人ひとりの尊厳を大切にするというところに出発点をおきました。

(中略)

ところが、国民の生活保障には腰が重い政権与党は、反対に、この「緊急事態」に乗じて憲法を変えようとしています。自然災害や疫病流行などの「緊急事態」に対応するための条文を憲法に明記すべきだという主張は、一見もっともらしく聞こえますが、憲法に「緊急事態」を書き込む意味は、個々の「緊急事態」にどのように対処すべきかという話ではありません。

災害や疫病への具体的対処は、それにふさわしい法整備をして、それを実効的に運用することで実現できます。憲法に「緊急事態」を書き込むことは、そうした憲法に基づく一般的ルールを「緊急事態だから」という理由で変更し、内閣に事実上の立法権限を与えたり、憲法で保障された人権を制限できるようにしたりすることを意味します。つまり、内閣が憲法のしばりを免れて、独裁的な権限を手に入れることにつながります。

しかも、現在のように「緊急事態」に基づく自粛圧力が強い中で改憲論議を進めることは、国民の間での自由な意見交換を妨げ、十分な議論を経ないまま、将来に禍根を残す決定を行ってしまう危険性も否めません。

愛知憲法会議は市民の皆さんに、そうした火事場泥棒のような改憲論の狙いを賢明に見極めるとともに、すべての人に人間らしい暮らしを保障する憲法のこころが実現するよう、自分ができることに取り組むことを呼びかけます。「三密」を避けるため、多人数で集まって声を上げることはできませんが、憲法記念日に憲法の本を読んで、じっくりと憲法の問題を考えたり、インターネットを通じて自分の思いを発信することはできます。多くの人びとの声で政治を変え、国民の命と暮らしを守りましょう。

2020年5月3日  愛知憲法会議

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