【暁鐘】 2021年3月3日

拙文を読み直すと、2006年からの14年は教育基本法の改悪から安保法制の成立といった「壊憲」の動きが進められた年月であった。その一方で「改憲」を阻んできた年月でもあった。「今の時代に合わない、流行遅れというが、そもそも私たちは憲法を着こなしてきただろうか」とかつて筑紫哲也さんは言った。コロナ禍の中、「教育を受ける権利」「生存権」「勤労権」を明記した憲法の力を思う▼64稿の中で最も触れることが多かったのが「沖縄」だった。民意を踏みにじり現在も埋め立てを平然とすすめる政府~「私も頑張りますが、みなさんも憲法をまもるために頑張ってほしい。戦争の苦しみに比べれば、平和な時の苦労など大したことではない」と92歳の老身で語られた大田昌秀さんもこの世にいない。しかし、「屈しない」と掲げる県民がいて、それに応える知事がいる▼「ならされず諦めず常に希望と展望をもつこと」~そのことを想起し続けさせてくれた本欄への寄稿の機会に感謝しつつ、今ここに筆を置く。(「愛高教情報」2021年3月3日)