【暁鐘】 2021年1月27日

「高大接続改革」に振り回されたが、ようやく大学入学共通テストまでこぎつけた。しかし、社会全体を巻き込んだドタバタは、これからも続く▼私たちが作成する書類の様式も変わった。調査書のいわゆる所見欄が、「学習」「行動」「部活動」「資格」「表彰」「その他」と細分化された。しかし、多くの生徒にとっては「特記事項なし」が増えただけ▼この様式を考えた人には、部活動をバリバリやって大会で表彰され資格取得にも励んだような高校生の姿しか見えなかったのだろうか。学習が苦手な生徒もいるのに、「学習」で何か一つ書かなければならないなんて。「学業と部活動の両立」は、どこに書けばいいのか▼推薦書の様式にも、判で押したように「思考力・判断力・表現力」「主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度」などの言葉が並ぶ。これでは「表現力が豊かである」「主体性がある」と書くしかない▼生徒を一人の人間として丸ごととらえることが大切だと思うのだが、なぜ、生徒の人格をわざわざ細分化するのだろうか。(「愛高教情報」2021年1月27日)