【暁鐘】 2021年1月20日

いよいよ入試の時期になった。私は“複合選抜入試制度”1期生で、公立を2回受験した。むろん当時は何の疑問も抱かなかったが、愛高教に入ってから非常に問題のある制度だと知った▼有名伝統校を頂点とする選抜ピラミッドで、第1希望の学校に合格できなかった生徒が第2希望の学校へ次々にこぼれ落ちていく現象が、最下層まで続いていく。下位になればなるほど、第1希望者もこぼれ落ちてくる第2希望者も少なくなってゆく▼1校受験なら地元にとどまっていた生徒が、尾張・三河の2大学区制のもとで、名古屋地区などの人気校を第1希望にする生徒が多くなり、偏差値の輪切りによる学校の序列化が一気に進んだ。これが今の定員割れの増大につながっているのは言うまでもない▼本来は、教育活動の特色や校風などの魅力により、地元の中学生を中心に生徒募集できるのが理想である。今や県立高校の地域性もかなり薄れてしまった感がある▼県もようやく入試制度改革に本腰をあげ始めたが、この2校受験にメスを入れない限り根本的な解消はできまい。それほど、この30年間の罪は深い。(「愛高教情報」2021年1月20日)