2021年 新年のご挨拶

新年のご挨拶
愛知県高等学校教職員組合
執行委員長

新年明けましておめでとうございます。
「3密」が新語・流行語年間大賞となった昨年。新型コロナウイルスとのたたかいは、学校という職場の在り方はどうあるべきかの問を私たちにつきつけました。急な変更はあたりまえ、前例のない場面にどう立ち向かうのか。そんなとき職場の思いを受け止め、要求を代弁する分会の役割が光ったことでしょう。
先日、ある新設の進学校を分会訪問しました。旧知の分会員も多く、久しぶりの再会を私は楽しみにしていました。そこで伺った話は示唆に富むものでした。64歳から33歳までの10名弱の分会員がそれぞれの得手をいかし、若い世代にもとけこむ職場をつくっています。真ん中に教育論議が置かれています。「生徒の自主性と自律性を尊重してこその大学合格」と話され、クラス経営の一端を伺いましたが、綿密な仕掛けがほどこされていました。
校長室で分会員とともに懇談して感じたことは、言うべきことは率直に言い合い、お互いの立場も尊重するという雰囲気があることです。ベテラン分会員が若い教職員と交じり合い奮闘していることが、そこでも自信をもって語られていました。
コロナ禍は、ICT教育というワードを思いがけなく前面に押し出しました。学習院大の佐藤学氏は、「21世紀は教育産業が世界を動かす」と述べています。良い意味ではありません。公教育がバーゲンのように売りに出され、子どもが「商品」とされる「未来の教室」です。現に、アメリカの貧困地域では「低学力」とされた学校が企業化され、端末がずらり並ぶ教室で、子どもが「個別最適化」された教育プログラムに向かっています。
前安倍政権では、国会で虚偽の答弁がまかり通りました。菅政権になり、「学問の自由」が大問題になっています。「お答えを差し控える」といってはばからない政権。すぐにでも交代していただかなくてはなりません。
子どもたち一人ひとりが尊重され、主権者としての成長が保障される学校と教育をつくりましょう。そしてその運動の先頭に立つ愛高教を強く大きくするため力をつくしましょう。(「愛高教情報」2021年1月13日)