日本学術会議、任命拒否に厳しく抗議します

愛高教執行委員長は、日本学術会議の会員任命にあたり6名の方々が任命拒否された件について、官邸に抗議文を送信しました。
愛高教の各支部、分会におかれましてもぜひ、以下のフォームから同趣旨の抗議文の送信をお願いいたします。
https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

全文は以下の通りです。

2020年10月9日
内閣総理大臣 菅義偉 様
首相は、9月30日、日本学術会議の会員任命にあたって6名について任命を拒否しました。今回の任命拒否は、日本学術会議の独立性を侵害し、憲法に保障された学問の自由および思想信条、表現の自由を脅かすもので、強く抗議します。首相には、任命拒否をただちに撤回し、6名を速やかに任命するよう求めます。
日本学術会議は、「行政、産業及び国民生活に科学を反映、浸透させることを目的」として1949年1月、政府から独立して職務を行う「特別の機関」として設立されました。日本の人文・社会科学、生命科学、理学・工学の全分野の約87万人の学者を内外に代表する機関で、210人の会員と約2000人の連携会員によって、「政府に対する政策提言」や「科学の役割についての世論啓発」などの役割を担っています。
日本学術会議の会員は同会議の推薦にもとづき、内閣総理大臣が任命すると日本学術会議法で定められています。内閣総理大臣の任命は、「形式的」なものであると国会で答弁がなされています(1983年11月24日参議院文教委員会)。
日本学術会議法には、設立の趣旨として「(科学が)わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献」すると記されています。同会議は近年、軍事目的のための科学研究をおこなわない声明を発出するなど、日本社会において貴重な意見表明をしてきています。
ひそかに法解釈を変更し、任命拒否の理由を明らかにしないことは不法・不当な人事介入です。さらに、日本学術会議の存在意義を失わせることにもなり学問の自由への重大な侵犯です。
私たちは、真理・真実に基づく教育を行っています。教育を受ける権利をなによりも大切にしてきました。憲法23条が「学問の自由は、これを保障する」としていることは、戦後の民主教育の土台であったはずです。
私たち愛知県高等学校教職員組合は、今回の任命拒否に厳しく抗議します。任命拒否の理由をすみやかに明らかにするとともに、任命拒否を撤回することを求めます。

名古屋市中区新栄1-49-10愛知県教育会館5F
愛知県高等学校教職員組合執行委員長
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