【暁鐘】 2020年7月15日

所属する合唱団のかかわりで「うたごえ新聞」を購読している。その7月号に吉岡幸雄さんのインタビュー記事を見つけた。広島の被爆者で90歳▼実は、24年前、修学旅行にて被爆体験を生徒と共に伺っている。お礼状も送らせてもらった。「当時16歳、君たちと同じ年だった」というところから話を始められた。記事は「火傷跡のケロイドを人目にさらすのが悲しく、恥ずかしく、いつも長袖。長ズボン。そのうち積極性が失せ、自分の殻に閉じこもる日々でした」と。▼吉岡さんが被爆体験を語り、核兵器廃絶運動に参加したのは、国家公務員の組合活動からだった。「お前は被爆したんじゃけぇ、話さにゃいけん」という仲間の言葉を受けて。「8月5日と6日の動員割り当てに級長の私と副級長で班をわけ、ジャンケンで勝った私は5日を選んだ。それが生死を分けた。私の生涯の重荷になりました」。当事者の言葉は重い▼新しい平和行進のとりくみで「折り鶴」を呼びかけた。羽に書かれた組合員のお名前に、平和を希求する気持ちを新たにする。(「愛高教情報」2020年7月15日)