昼間定時制・通信制にエアコン設置 2020県予算案

2月13日、愛知県は2020年度当初予算案を発表しました。一般会計の歳出総額は、前年度比2.4%増の約2兆5722億円。教育予算は、前年度比1.4%増の約4218億円です。人件費を除いた「その他経費」が6.8%増となっていますが、これは主に長寿命化改修の本格化およびトイレの乾式化の予算増によるものです。県一般会計に占める教育予算の割合は、前年度から0.3ポイント減少し、16.4%となりました。

長寿命化改修とトイレの乾式化が本格実施
旅費予算については、教職員1人当たりの金額で、高校46,747円(320円増)、障害児学校32,544円(374円増)と増額になりました。また、施設長寿命化推進事業費として前年度の3倍となる約92億7300万円が計上され、築60年経過の長寿命化改修(設計11校、工事19校)およびトイレの乾式化(設計50校、工事36校)が実施されます。

昼間定時・通信制にエアコン設置など、とりくみの成果
今回、昼間定時制と通信制に県費によるエアコン設置の予算が盛り込まれました。該当校で未設置校については新規に、私費で既設の学校については保護者負担となっている運用費等を県費に切り替える措置がなされます。しかしながら、今回の該当校以外で、県内にはまだエアコン未設置の学校が10校近くあり、また生徒用のエアコンを導入している学校のほとんどがその費用を私費でまかなっています。これらについても早急に県費で対応するよう要請していく必要があります。
ほかにも、外国人生徒等教育支援員の時間数や部活動総合支援員、障害児学校の非常勤看護師、スクールソーシャルワーカー(高校)などが拡充されています。これら教育条件整備のための予算増は、教財窓口交渉をはじめとしたこの間のとりくみの成果といえます。

実効性ある多忙化解消へのとりくみは見えず
一方、今回の予算案は多忙化解消になにより必要な教職員定数増には背を向けたままです。
また、少人数学級や教育の無償化についても全く触れられていない一方で、愛知グローバルハイスクールなどの一握りのエリート養成を意識した事業など安倍教育再生に通じる予算が目立ちます。
総じて、2020年度の愛知県教育予算案は、生徒・父母・教職員の思いに十分応えたものとは言えません。
愛高教は引き続き、教育予算の大幅拡充に向け、とりくみをすすめていきます。
(「愛高教情報」2020年3月4日)